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新型コロナウイルス感染症の後遺症による味覚障害の症状・治療法について

新型コロナウイルス感染症に感染した場合、後遺症として味覚障害が起きる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の後遺症には、発熱や咳、倦怠感、集中力の低下や脱毛などがありますが、中でも味覚障害は新型コロナウイルス感染症の後遺症の大きな特徴といえるでしょう。
新型コロナウイルス感染症に感染した場合、どのようなタイミングで味覚障害の症状が出るのか、また味覚障害はいつまで続くのか不安に思う人も少なくないでしょう。
新型コロナウイルス感染症の後遺症である味覚障害について詳しく解説します。

目次

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害の特徴

新型コロナウイルスの後遺症で味覚障害が起きることは、メディアでも大きく取り上げられています。
しかし新型コロナウイルスに感染した人が必ず味覚障害になるわけではありません。
また、症状や味覚障害が起こるタイミングも人によって異なります。
なぜ後遺症として味覚障害が起きるのか、多くのことはまだ分かっていませんが、現段階で分かっている症状や原因などについて詳しく見ていきましょう。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害の症状

新型コロナウイルスに感染した後遺症としての味覚障害の症状は、30代以下の人に多くみられると言われています。
味覚障害は、食べ物の味がしないだけではありません。
食べ物がおいしく感じない、甘いはずのものが苦く感じるなど本来の味とは違った味に感じる、食事をするときだけではなくいつも口の中が苦いまたは⽢く感じる、などの症状もあります。

また本来の味付けよりも薄味に感じる場合も味覚障害と言えます。
新型コロナウイルス後遺症の味覚障害は、新型コロナウイルスに感染したときに生じるほかの症状がなくても発生することがあり、味覚障害の発生や症状の程度などはどの新型コロナウイルスの株に感染したかによっても差があります。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害の原因

新型コロナウイルスに感染して生じる味覚障害の原因は、現段階ではまだ詳しいことは分かっていません。
しかし、コロナウイルスが体内に侵入し、舌の味覚をつかさどる味蕾(みらい)や神経に影響が出て障害が発生すると言われています。
これは、ウイルス性感冒の症状でも同じことが言えます。
ウイルス性感冒、つまり風邪を引いたときは、直接ウイルスが神経細胞を障害したりウイルスに感染して免疫が機能して炎症を起こしたりして、味覚や嗅覚が無くなります。

新型コロナウイルスによって起こる味覚障害は、特定の原因だけではなく加齢や薬の副作用、栄養不足、慢性的な持病などの複雑な要因が影響し合っているケースもあると考えられています。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害に伴う嗅覚障害の症状

新型コロナウイルスに感染した後遺症として味覚障害が起きるだけではなく、それに伴って嗅覚障害の症状が出る場合もあります。
嗅覚障害も味覚障害と同じように匂いがまったくしないだけではなく、今までとは違う匂いがする、変な匂いがする、匂いの感じ方が弱くなる、何の匂いを嗅いでも同じに感じるなどの症状が出る人もいます。

新型コロナウイルス後遺症の嗅覚障害は、特別な治療をしなくても発症から2週間程度で多くの人が改善すると言われていますが、新型コロナウイルス自体がまだ分からないことが多いため、発症から1か月以上経っても嗅覚障害が改善しない場合は医療機関に相談する方がよいでしょう。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害はいつまで続く?治るまでの期間について

新型コロナウイルスの後遺症で味覚障害が起きた場合、いつまで症状が続くのか不安に感じる人も多いでしょう。
匂いは食欲にも大きく影響します。発熱や倦怠感、咳や呼吸困難などの症状で体力を消耗しているときは、なるべく食事を摂るようにして栄養を補給する必要があります。
しかし、食べ物の匂いがまったくしない、食べても口の中が苦く感じるなどの味覚障害があると食欲がなくなってしまう人もいるでしょう。

現段階では個人差はありますが、新型コロナウイルス療養期間が終わってから味覚障害が続いている場合でも約84%の人が感染後1か月程度で自然に治るとされています。
もしも1か月を過ぎても味覚障害の改善が見られない場合は、治療が必要と考えられます。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害を予防する方法はある?

新型コロナウイルス後遺症の味覚障害を予防する方法は、まず新型コロナウイルスに感染しないことが重要です。
基本的な予防法であるこまめな手洗いや消毒、密を避ける、人と接するときはマスクをして適度な距離を保つなどは、たとえワクチンを接種していても欠かせません。

また亜鉛を意識して接種することもよいでしょう。
亜鉛が体内で不足すると味覚を感じるセンサーである味蕾の機能が低下して味覚障害が起こります。
亜鉛が豊富に含まれる食べ物には、牡蠣や煮干し、豚レバー、牛肩ロースなどがあります。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害の疑いがある方の受診の目安と治療法について

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害の症状が続く場合、いつ医療機関を受診すればよいのかをお伝えします。
多くの人が味覚障害の症状は自然に改善すると言われていますが、個人差があるため、注意深く症状の変化を見ていく必要があります。
新型コロナウイルスに感染してから後遺症がどのくらいの期間続いているのか覚えておくとよいでしょう。
また治療法にはどのようなものがあるのかについてもお伝えします。

受診の目安はどんな場合?

新型コロナウイルスに感染して療養期間が終わった後、2週間以上が経過しても味覚障害の症状が続く場合は一度医療機関に相談しましょう。
また日常生活に支障が出るような強い症状がある場合も注意が必要です。
かかりつけ医がいる場合はその医師に、または近隣の医療機関に相談しましょう。
受診するのは耳鼻咽喉科になりますが、最近は新型コロナ後遺症のための外来を設けている医療機関もあるので、新型コロナウイルス後遺症の味覚障害と分かっている場合はそのような医療機関を受診するのもよいでしょう。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害の治療法

新型コロナ後遺症の味覚障害に対しての確立された治療法は今のところありません。
そのため、症状を和らげたり消したりする対症療法が行われます。
ステロイド点鼻薬や漢方薬、亜鉛剤などが処方されることもあります。

また新型コロナウイルスワクチンを2回接種すると、感染しても28日以上続く症状の発生が約半分に減少すると言われています。
新型コロナウイルスワクチンは、後遺症を抑制する可能性もあるため接種しておく方が安心です。

新型コロナウイルス後遺症による味覚障害についてまとめ

新型コロナウイルスの後遺症にはさまざまな症状がありますが、味覚障害は特徴的な症状です。
味覚障害が起こっても多くの人が1か月以内に自然に改善すると言われていますが、1か月以上経っても症状の改善が見られない場合には1度医療機関に相談するとよいでしょう。

ライブリークリニックはコロナウイルス後遺症の専門クリニックです。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

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