モフィウス8(Morpheus8)は、イスラエルのInMode社が開発したマイクロニードルRFと呼ばれる医療機器です。極細の針を皮膚に刺し、その針先から高周波(RF)エネルギーを流し込む二段構えの仕組みを持ちます。
技術的にはSARD(Subdermal Adipose Remodeling Device)と分類され、皮下の脂肪層をリモデリングしながら、表皮の質感まで一台で整えられる点が特徴です。針の刺入深度と熱量を部位や悩みに応じてプログラムできるため、皮膚の薄い目元から厚みのある頬まで、設定を変えて対応できます。
なぜ、わざわざ針と高周波を組み合わせるのでしょうか。針だけを刺す治療は微細な傷をつくり、その傷が治る過程でコラーゲン生成を促します。
一方、高周波だけを外側から当てる治療では、熱が表面に近い層で拡散しがちです。モフィウス8は針を「熱の運び屋」として使い、ねらった深さまで潜り込んだ針先からRFを放出します。つまり、表面をほとんど傷めずに真皮の奥や皮下脂肪へ熱を届けられるわけです。
物理的な創傷治癒と、深部への熱によるタイトニングが同時に起こる。この二重の作用こそ、RF治療のなかでも強い引き締めが語られる理由といえます。
目の下の老けた印象の多くは、眼球を支える眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出と、それを覆う皮膚のゆるみから生まれます。従来のRF機器は皮膚表面から中間の層が主戦場で、深い場所にある脂肪へ直接働きかけるのは得意ではありませんでした。ハイフは超音波で深部を点状に刺激できるものの、脂肪層を面で引き締めるのは不得手とされています。そのため、突出した眼窩脂肪をどうにかするとなると、これまでは脱脂という切開を伴う手術をしなければなりませんでした。
ところがモフィウス8は、針を介して脂肪層まで熱を届けられます。切らずに目元のゆるみへ働きかける方法のひとつという一点が、目の下の悩みで名前が挙がり続ける最大の理由だと考えてよいでしょう。