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アドバテックスレーザーとVビームの違い|症状別の選び方と使い分けを解説

アドバテックスレーザーとVビームの違い

「赤みに効くと聞いたけれど、アドバテックスレーザーとVビームはどちらを選べばいいの?」——そういった疑問を持つ方は少なくありません。どちらも美容皮膚科で「赤み治療の定番」として並んで紹介されることが多く、違いがつかみにくい機器の筆頭といえます。

本記事では両機器の仕組みと違いを整理したうえで、ピコトーニング・フォトフェイシャル・ハイドラフェイシャルといった他施術との比較も踏まえ、症状別の選び方を解説します。

目次

アドバテックスレーザー(ADVATx)とは

アドバテックスレーザーは、アメリカの医療機器メーカーが開発した比較的新しいレーザー機器です。589nmと1319nmという2種類の波長を1台で同時に照射できる点が最大の特徴で、FDA(アメリカ食品医薬品局)から25の疾患に対する承認を取得しています。

特徴については、「赤み・ニキビ・毛穴・皮脂を1台でまとめて改善できるレーザー」とひとことで表すことができます。独自の「ソフトパルシング技術」により0.02秒に240発という超高頻度照射が可能で、ダウンタイムを抑えながら効果を引き出せる設計が特徴です。施術当日のメイクが可能なケースも多く、日常の合間に継続しやすい施術として支持を広げています。

アドバテックスレーザーの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

関連記事:アドバテックス(advatx)レーザーとは?最新機能と効果を徹底解説

Vビームとは

Vビームはパルスダイレーザー(PDL)と呼ばれる種類のレーザーで、595nmという単一波長を照射します。血液中のヘモグロビンに強く吸収される波長で、異常に拡張した毛細血管を選択的に破壊することに特化した設計です。

「血管病変に直接アプローチする、赤み治療の定番レーザー」が特徴といえるでしょう。血管腫や重度の毛細血管拡張症、肥厚性瘢痕(傷跡の盛り上がり)など、血管が主因の病変に対して長年の実績を持ちます。また、国内の美容皮膚科・皮膚科に広く普及しており、症状によっては保険診療で対応できる点も特徴のひとつです。

なぜ「赤みレーザー」はいつも一緒に語られるのか

Vビームとアドバテックスレーザーはともに、ヘモグロビン(血液の赤い色素)に強く反応する波長を持ちます。そのため赤ら顔・毛細血管拡張症・赤ニキビなど「炎症を伴う赤み」に対して有効とされ、同じカテゴリーで語られてきました。検索でも「どちらが良いか」という比較が頻繁に登場するほど、悩む方が多い組み合わせです。

ただし設計思想には明確な差があります。Vビームが「単一波長で血管を直撃する」アプローチを採るのに対し、アドバテックスレーザーは「2種類の波長で複数の標的に同時にアプローチする」発想で作られています。この違いが適応症状・痛み・ダウンタイム・施術頻度のすべてに影響を与えており、単純に「どちらが優れているか」という問いへの答えは存在しません。自分の悩みに合った機器を選ぶことが重要です。

アドバテックスレーザーとVビームの違いを徹底比較

両機器は同じ「赤みレーザー」に分類されながら、波長・照射方式・冷却技術・ダウンタイムなど多くの点で異なります。以下では9つの切り口から詳しく解説します。

1. 波長と治療目的の違い
2. 照射方式の違い
3. 冷却技術と痛みの違い
4. スポット径と照射精度の違い
5. 適応症状の違い
6. ダウンタイムの違い
7. 回数・頻度の違い
8. 認証・承認の違い
9. 料金感の違い

どちらを受けるか悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてください。

①波長と治療目的の違い

Vビームが搭載するのは595nmという単一波長で、オキシヘモグロビンへの吸収率が高く、異常に拡張した毛細血管に直接エネルギーを集中させて破壊します。「血管を確実に潰す」ことに特化した設計です。

一方のアドバテックスレーザーは、589nmと1319nmの2種類の波長を同時出力できます。589nmはVビームの595nmと近似しながらも役割が異なり、炎症の鎮静を担っているのです。1319nmはVビームにはない波長で、真皮層に到達してコラーゲン産生を促し、皮脂腺の活動を抑制します。赤みを抑えながら毛穴・皮脂にも同時アプローチできる点はVビームにはない強みです。

②照射方式の違い

Vビームは1ショットに一定のエネルギーをまとめて照射するパルスダイレーザーです。エネルギーが集中する分、血管への破壊力は高い反面、周辺組織にも広がりやすく紫斑(内出血のような青あざ)が生じることがあります。

アドバテックスレーザーが採用する「ソフトパルシング」は、0.02秒という極めて短い時間内に240発の超微細ショットを照射する技術です。1発あたりのエネルギーを意図的に小さく分散させ、高頻度で積み重ねることで周辺組織へのダメージを最小化しながら標的への累積効果を引き出します。重いハンマーで一撃を与えるのがVビーム、軽い打撃を高速で繰り返すのがアドバテックスレーザーというイメージです。

③冷却技術と痛みの違い

Vビームはレーザー照射と同時に冷却ガスを噴射するクライオゲン冷却(DCD)を採用しています。皮膚表面を瞬間的に冷やしてから照射するため熱による痛みを緩和しますが、出力が高い設定では、強い日光のもとで日光浴をするような鋭い痛みを感じる方が多いです。

他方、アドバテックスレーザーはソフトパルシング自体が低ダメージ設計である点に加え、内蔵クーリングシステムで肌を冷やしながら照射します。1発あたりのエネルギーが分散されているため、Vビームより痛みを感じにくいと表現する方が多く、麻酔クリームなしで受けられるケースも多いです。この点が「仕事の合間に通いやすい」施術として選ばれる実際的な理由のひとつになっています。

④スポット径と照射精度の違い

スポット径とはレーザーが皮膚に当たる1ショットあたりの面積です。Vビームは7〜10mm程度のスポット径が一般的で、広範囲を一気にカバーできます。血管腫や広範囲の赤みを処置したい場合はこの設計が有利です。

アドバテックスレーザーのスポット径は比較的小さく、フラクショナル照射との組み合わせによって照射部位を細かく制御可能です。部位ごとに出力を調整できるため、鼻周りや目元など繊細な部位への精度が高まります。

広い面積を素早く処置したい場合はVビームが、部位ごとの細かい制御が必要な場合はアドバテックスレーザーが適しているといえます。

⑤適応症状の違い

Vビームが優位なのは、血管腫(いちご状血管腫・毛細血管性血管腫)・重度の毛細血管拡張症・肥厚性瘢痕(傷跡の盛り上がり)など、血管の太さや深さが増している明確な血管病変です。「確実に血管を潰したい」状況ではVビームに優位性があります。

一方、アドバテックスレーザーが優位なのは、軽〜中程度の赤ら顔・酒さ(ロザセア)・炎症性ニキビ・ニキビ繰り返し体質・毛穴の開き・皮脂過多・小じわといった複合的な悩みです。1回の施術で複数の症状にアプローチできるため、「まとめて改善したい」方のニーズに合致します。

なお肝斑は熱で悪化するリスクがあるため、どちらも慎重な出力設定が必要です。

⑥ダウンタイムの違い

ダウンタイムの差は照射方式の差が直接反映されています。アドバテックスレーザーは施術直後の赤みや熱感が多くの場合数時間以内に落ち着き、その日のうちにメイクが可能なケースも多いです。翌日以降に目立った症状が残ることは少なく、照射部位や出力によっては数日間わずかな赤みが続く程度です。

Vビームは設定によって紫斑が生じることがあり、消えるまで1〜2週間程度かかる場合があります。紫斑はVビームの血管破壊力の高さの裏返しでもあるため一概にデメリットとは言えませんが、仕事や外出への影響を考えると現実的な制約になるでしょう。Vビームプリマでは低出力のノーダウンタイム設定も可能ですが、その分1回あたりの効果も抑えめになります。

⑦回数・頻度の違い

アドバテックスレーザーは一般的に3〜5回程度のシリーズ照射で効果が現れ始め、月1回前後の間隔で施術します。低ダメージ設計のため次の施術まで皮膚の回復を長く待つ必要がなく、定期的なメンテナンス感覚で継続しやすい点が特徴です。

Vビームも複数回の施術が必要ですが、紫斑が出るケースでは完全に消えてから次の施術に進む必要があります。血管腫などの治療では1〜2か月に1回程度のペースになることが多いです。「継続して通いたい」という方にはアドバテックスレーザーの方が現実的なペースで施術計画を立てやすいといえます。

⑧認証・承認の違い

アドバテックスレーザーはアメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可および欧州CEマークを取得しており、合計25を超える適応症で使用が認められています。厚生労働省からの承認はまだ受けていないものの、安全性が高い機器として位置づけられます。Vビームも長い臨床実績を持ち、日本を含む各国で広く使用されているものです。

どちらも安全性の根拠を持つ機器ですが、アドバテックスレーザーが「多疾患への国際的な承認」を持つ点は、機器選択における信頼性指標のひとつです。承認の有無や範囲はそれぞれの機器の特性を把握するうえでも参考になります。

⑨料金感の違い

料金はクリニックによって大きく異なりますが、アドバテックスレーザーは比較的新しい機器である分、Vビームより高めに設定されているケースが多い傾向があります。Vビームは国内に普及している機器のため、競争原理が働いて比較的リーズナブルなクリニックも存在します。

ただし「安い方を選ぶ」という基準で判断することには注意が必要です。出力設定・照射範囲・施術者の技術によって効果とリスクの双方が変わるため、料金は参考情報として捉え、カウンセリングでの説明内容と照らし合わせながら選ぶことが大切です。

Vビームかアドバテックスレーザーかをひとことで整理すると

詳細な比較は上記の通りですが、実際の選択場面での参考として、簡単な目安を示します。

Vビームが向いているのは、血管腫・重度の毛細血管拡張症・肥厚性瘢痕など「血管を確実に潰したい」明確な病変がある場合です。ダウンタイムを許容できる状況で、一定の強度で処置したい方にも向いています。保険診療の対象になる症状もあるため、まず皮膚科への受診が選択肢になるケースもあります。

アドバテックスレーザーが向いているのは、赤ら顔・酒さ・ニキビ・毛穴・皮脂過多など複数の悩みを抱えており、「ダウンタイムを最小化しながら継続的に改善したい」方です。仕事や日常生活を止めずに通えることや、毛穴・皮脂への追加効果を重視するなら優先的に検討したい施術になります。

ただし、どちらがより自分の症状に合うかは肌の状態を直接確認しなければ判断できません。まずは医師の判断を仰ぎましょう。

症状別の使い分け詳細

アドバテックスレーザーとVビームのどちらが向いているかは、症状の種類・重さ・部位によって変わります。代表的な4つの症状について整理します。

赤ら顔・毛細血管拡張症の場合

軽度から中程度の赤ら顔であれば、アドバテックスレーザーの589nmがダウンタイムを抑えながら効果を引き出しやすい選択肢になります。酒さ(ロザセア)のように炎症と血管拡張が絡み合う状態にも適応し、繰り返し通うことで赤みのベースラインを下げていくアプローチが可能です。

また、血管の太さや深さが増している重度の毛細血管拡張症や鼻周辺の目立つ太い血管には、Vビームの強いパルスエネルギーが有効なケースがあります。同じ「赤ら顔」でも毛細血管の直径と深さによって適切な機器が変わるため、まずクリニックで血管の状態を確認することが判断の出発点です。

ニキビ・炎症性ニキビ跡の場合

アドバテックスレーザーが優位な領域です。589nmがアクネ菌の産生するポルフィリンに反応して炎症を直接鎮静させ、さらに1319nmが皮脂腺の活動を抑制します。「今あるニキビの炎症」と「ニキビができやすい皮脂環境」の両方に1回の施術でアプローチできる点は、Vビームにはない特性です。

Vビームも炎症への反応は持ちますが、皮脂腺への直接的な抑制作用はありません。繰り返すニキビの体質改善という観点では、アドバテックスレーザーの方が再発抑制効果を期待しやすいといえます。

毛穴の開き・皮脂過多の場合

1319nmを搭載するアドバテックスレーザーが唯一カバーできる領域です。真皮層でのコラーゲン産生促進により毛穴周囲の肌が引き締まり、皮脂腺の抑制によってTゾーンのテカリが慢性的に気になる方にも対応します。

Vビームではこの作用は期待できず、毛穴改善を主目的とした場合はアドバテックスレーザーの独自性が際立ちます。「毛穴も赤みも両方気になる」という複合的な悩みを持つ方には、1台で両方にアプローチできるアドバテックスレーザーが効率的な選択肢になります。

ケロイド・傷跡の赤みの場合

術後の傷跡や肥厚性瘢痕に対しては、Vビームが長年の実績を持ちます。血管を閉塞させることでコラーゲンの過剰産生を抑制するメカニズムが、肥厚性瘢痕の平坦化に寄与するとされています。

一方、炎症の赤みが主体の比較的新しい瘢痕であれば、アドバテックスレーザーの抗炎症作用が有効なケースもあるのです。傷跡の性質(平坦か盛り上がっているか)・経過期間・赤みの強さによって最適な機器が変わるため、いずれも自己判断せずクリニックでの診察を踏まえた選択が前提になります。

アドバテックスレーザーと他の施術との違い

美容皮膚科には肌悩みを改善する施術が多数あります。アドバテックスレーザーとよく比較される施術との違いを整理します。

ピコトーニングとの違い

ピコトーニングはピコ秒レーザーを低出力で照射し、メラニン色素を少しずつ分解してシミ・くすみ・肝斑を改善する施術です。メラニンへのアプローチを主目的としており、赤みや血管病変への直接効果はほとんど期待できません。

アドバテックスレーザーはメラニン破壊を主軸にした機器ではないため、「シミも赤みも両方改善したい」という方が1台で解決しようとすると、どちらかの効果に限界が生じます。

それぞれの得意領域が明確に異なるため、悩みの優先順位によって使い分けるか、必要に応じて組み合わせることが現実的な選択になります。

フォトフェイシャルとの違い

フォトフェイシャルはIPL(インテンス・パルス・ライト)と呼ばれる複数の波長を持つ光を照射し、シミ・そばかす・毛細血管・ニキビなど複数の肌悩みに同時にアプローチする施術です。広い波長帯を使う分、アドバテックスレーザーのように特定の標的(ヘモグロビン・皮脂腺)に強くエネルギーを集中させる設計ではなく、全体的な肌質改善を緩やかに促す傾向があります。

重度の赤みや慢性的な毛穴・ニキビに対してはアドバテックスレーザーの方が強くアプローチできる一方、フォトフェイシャルはシミ・くすみ・赤みをまとめてケアしたい方や、肌全体の底上げを図りたい方に向いています。

ハイドラフェイシャルとの違い

ハイドラフェイシャルは毛穴の汚れを吸引しながら美容成分を浸透させる水流式ピーリング機器です。非侵襲かつノーダウンタイムで、毛穴の物理的な詰まりや表面的な皮脂を除去する効果があります。

アドバテックスレーザーとの違いは作用の深さで、ハイドラフェイシャルは皮膚表面から毛穴口にかけてのアプローチです。真皮層でのコラーゲン産生促進や皮脂腺の機能的な抑制は期待できません。一方で施術の負担が非常に小さいため、「まず肌状態を整えてからレーザー治療に移行する」という前処理として組み合わせる使い方が実際には多くあります。

エレクトロポレーション(イオン導入)との違い

エレクトロポレーションは電気パルスで皮膚の細胞膜に一時的な隙間を作り、美容成分を深部に浸透させる施術です。成分を届けることが目的であるため、赤みや毛穴・ニキビへの直接的な治療効果はなく、アドバテックスレーザーとは役割が本質的に異なります。

ただし、アドバテックスレーザーの施術後にエレクトロポレーションで美容成分を補給すると治療効果を引き上げる相乗効果が期待できるため、併用メニューとして組み合わせているクリニックも少なくありません。「どちらを選ぶか」ではなく、アドバテックスレーザーに付加するオプションとして位置づけるのが適切です。

アドバテックスレーザーの施術を検討しているなら、まずはライブリークリニックへ

ライブリークリニックでは、アドバテックスレーザーの施術を提供しています。「VビームとADVATxのどちらが自分に合うか」「毛穴とニキビ、両方気になる」「赤みの原因が血管なのか炎症なのかわからない」。そういった疑問も含め、カウンセリングの場でひとつひとつ整理します。

適切な機器の選択は肌を直接診て判断するものです。インターネット上の情報だけで決断しようとするよりも、まず専門医に現在の肌の状態を確認してもらうことが、治療の満足度を高める最短ルートといえます。ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

アドバテックスレーザーとVビームは同じ「赤みレーザー」カテゴリーに属しながら、波長・照射方式・冷却技術・ダウンタイム・適応症状において明確に異なります。Vビームは血管を直撃する設計で血管病変の実績が厚く、アドバテックスレーザーは2波長同時照射とソフトパルシングで赤み・ニキビ・毛穴・皮脂に横断的にアプローチしながらダウンタイムを抑えられる点が強みです。ピコトーニング・フォトフェイシャル・ハイドラフェイシャルといった施術はそれぞれ異なる得意領域を持ちます。

「どれが優れているか」ではなく「自分の悩みと生活スタイルに何が合うか」という観点で選択することが、満足度の高い治療につながります。どれが自分に適しているのかわからないという場合は、ぜひライブリークリニックまでご相談ください。

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このページの監修医師

坂田 将彰

坂田 将彰

経歴

  • 2019年 帝京大学 医学部卒業
  • 2019年 慶應義塾大学病院 入職
  • 2021年 大手美容外科 入職 分院長歴任
  • 2024年 LIVELY CLINIC