アドバテックスレーザーの特徴をより理解するため、他の美容レーザー治療との違いについて詳しく解説します。それぞれの治療法には特徴があり、肌悩みに応じて適切に選択することが重要です。
VビームⅡは595nmの単一波長を使用する血管治療専用レーザーです。パルスダイレーザーとも呼ばれ、赤みや血管拡張の治療に特化しています。
VビームⅡの長所は、血管病変への高い選択性により、赤ら顔や毛細血管拡張症に対して優れた効果を発揮する点です。しかし、ニキビや毛穴、肌質改善への効果は限定的で、複合的な肌悩みには対応できません。
また、VビームⅡは施術後に紫斑(内出血)が出やすく、1〜2週間程度の赤紫色の跡が残ることがあります。一方、アドバテックスレーザーは2波長により複合的な肌悩みに対応可能で、ダウンタイムもほとんどありません。
治療目的が赤みのみの場合はVビームⅡも選択肢となりますが、複数の肌悩みがある場合や、ダウンタイムを避けたい方にはアドバテックスレーザーの方が適しています。
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短いパルス幅でレーザーを照射する最新技術です。主にメラニン色素に作用し、シミや色素沈着の改善を得意とします。
ピコレーザーの特徴は、短いパルス幅により周囲組織へのダメージを最小限に抑えながら、効率的に色素を破壊できる点です。肝斑やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などの深い色素沈着にも効果的です。
しかし、ピコレーザーは血管系への作用が弱く、赤みや毛穴の改善には適していません。アドバテックスレーザーは血管系と皮脂腺への作用が中心で、赤みや肌質改善に特化しています。
シミ治療が主目的の場合はピコレーザー、赤みや肌質改善が目的の場合はアドバテックスレーザーというように、症状に応じて使い分けることが重要です。両者を組み合わせることで、より包括的な美肌治療が可能となります。
フラクショナルレーザーには、CO2レーザーやエルビウムYAGレーザーなどがあり、深いニキビ跡や傷跡の改善に優れた効果を発揮します。
従来のフラクショナルCO2レーザーは、肌に微細な穴を開けて強力な肌再生を促します。深い凹凸のあるニキビ跡や、外傷性の傷跡に対して高い改善効果が期待できるのが特徴です。
しかし、フラクショナルCO2レーザーはダウンタイムが長く、施術後1週間程度は赤みや腫れ、かさぶたが強く出る傾向にあります。また、色素沈着のリスクもあり、術後のケアが重要となるでしょう。
アドバテックスレーザーもフラクショナル照射を採用していますが、波長の特性によりダウンタイムがほとんどありません。効果は穏やかですが、日常生活を続けながら治療できるのが大きなメリットです。
深い凹凸には従来のフラクショナルレーザー、軽度〜中等度の肌トラブルや日常生活への影響を最小限にしたい方にはアドバテックスレーザーが適しています。