サブシジョンの効果をさらに高めるためには、他の治療法との併用が有効です。特にヒアルロン酸注入との組み合わせは注目されており、サブシジョンで癒着を剥離した後、その空間にヒアルロン酸を注入することで即座に凹みを持ち上げる効果が得られます。
ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収されますが、その間にコラーゲンの生成が促進され、長期的な改善につながるでしょう。深いクレーターに対しては、この併用療法が特に高い効果を発揮することが報告されています。
“Ebrahim HMらによる2022年の『 A combined approach of subcision with either cross-linked hyaluronic acid or threads in the treatment of atrophic acne scars.』の医学論文では対象患者40人に対してヒアルロン酸注入とサブシジョンの両方の施術を同時に受けたグループと、サブシジョン単独のグループに分けて施術を行いました。ヒアルロン酸とサブシジョンを組み合わせた治療では94.1%の患者が明らかにニキビ跡の改善が認められたと記述しています。一方、ヒアルロン酸を注入せずにサブシジョン単独の場合、67.3%しか効果がなかったとも報告しています。やはりヒアルロン酸注入との組み合わせがサブシジョン治療では重要と言えます。”
引用元:萎縮性ニキビ跡の治療における、架橋ヒアルロン酸または糸によるサブシジョンの併用アプローチ
またダーマペンやポテンツァなどの治療を組み合わせることで、より総合的な肌質改善が期待できます。ダーマペンは極細の針で肌に微細な穴を開け、自然治癒力を利用してコラーゲン生成を促進する治療法で、サブシジョンでは届きにくい表層の肌質改善に効果的です。
最新の治療アプローチとして、サブシジョン後に成長因子やPRP(多血小板血漿)を注入する方法も行われています。PRPは患者自身の血液から抽出した血小板を濃縮したもので、豊富な成長因子を含んでいます。自己血液を使用するため、アレルギーのリスクがほとんどなく、安全性の高い治療法として注目されています。
その他のサブシジョンと併用できる治療については、以下の記事を参考にしてください。
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