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ショッピングリフトと糸リフトの違い|適切な治療法を選択しよう!

加齢や重力の影響により、肌のたるみやフェイスラインの崩れを気にする方は少なくありません。そのような悩みを解決する治療法として注目されているのが「ショッピングリフト」と「糸リフト」です。

しかし、これら2つの治療法には明確な違いがあります。自分に適した施術を選ぶためには、それぞれの特徴をしっかりと理解することが重要です。

本記事では、ショッピングリフトと糸リフトの違いを6つのポイントから詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリット、施術の流れについても解説します。自身に最適な治療を選ぶ際の参考にしてください。

目次

ショッピングリフトとは?

ショッピングリフトとは、肌のたるみを改善するために使用される美容施術のひとつです。医療用の溶ける糸を使用しており、抜糸の必要がありません。また、コラーゲン生成を促進するため、リフトアップ効果とともに肌のハリや弾力も改善されるとされています。

施術では、非常に細い糸を皮膚の浅い層に挿入するため、傷跡が目立たず比較的短いダウンタイムで済むのが特徴です。糸の本数を増減させれば、個々の希望に合わせた仕上がりが可能です。特に顔全体の引き締めや小じわの改善を目指したい人に適した方法とされています。

さらに、メスを使用しない非外科的治療法であるため、手軽に試せるリフトアップ施術として人気があります。

糸リフトとは?

糸リフトとは、特殊な糸を皮下組織に挿入し、たるんだ肌を物理的に引き上げることでフェイスラインやたるみを改善する美容施術です。ショッピングリフトと異なり、使用される糸には「突起(コグ)」や「トゲ」がついています。これにより、皮膚や筋膜にしっかり固定されるため、高いリフトアップ効果が期待できます。

もうひとつの特徴が、挿入された糸が体内で吸収される過程でコラーゲン生成を促進する点です。リフトアップ効果に加えて肌のハリや質感の向上も得られる場合があります。

糸リフトは、比較的長い効果の持続期間を持ち、個人差はありますが半年から1年以上効果が続くことが一般的です。一方で、ショッピングリフトよりも施術の難易度が高く、麻酔が必要になる場合もあります。

ショッピングリフトと糸リフトの6つの違い

どちらも糸を使用した施術ですが、それぞれには次の6つの違いがあります。

同じような施術に見えても、上記のような違いがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。

糸の種類と本数

ショッピングリフトと糸リフトの大きな違いのひとつは、使用される糸の種類と本数です。ショッピングリフトでは、極細で滑らかな糸を数十本単位で挿入します。皮膚の浅い層に多く挿入することで、コラーゲン生成を促進し、肌のハリや小じわの改善を目指すものです。

一方、糸リフトで使用される糸には「コグ」と呼ばれる突起やトゲが付いているものが多く、組織にしっかり引っ掛けてリフトアップ効果を得る仕組みです。より持続性の高いものが使われることもあります。糸リフトでは、効果を高めるためにショッピングリフトよりも少ない本数で施術を行うのが一般的です。

糸の選択や本数は、施術者が患者の肌状態や希望に応じて決定しますが、一般的には異なる種類の糸を使用していると覚えておきましょう。

ダウンタイムの長さ

ダウンタイムの長さにも違いがあります。ショッピングリフトは、極細の糸を浅い層に挿入するため、腫れや内出血が少なく、ダウンタイムはあっても1週間以内と短いのが特徴です。

一方、糸リフトは皮膚の深い層に糸を挿入するため、腫れや内出血が出やすく、ダウンタイムは1~2週間程度かかることがあります。施術後の違和感や引きつれ感が出る場合もあるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。

なお、どちらの施術も直後にメイクするのは控えるようにしてください。感染リスクが高まってしまうため、落ち着いてからメイクするようにしましょう。

効果の持続期間

ショッピングリフトと糸リフトでは、効果の持続期間にも違いがあります。ショッピングリフトは、主に肌のハリや小じわの改善を目的とし、コラーゲン生成による自然なリフトアップ効果が得られます。ただし、持続期間は6~12ヶ月程度と短めで、定期的な施術が必要です。

一方、糸リフトは、皮膚を物理的に引き上げるため、より即効性が高く、顔全体のリフトアップやたるみ改善に適しています。効果の持続期間は12ヶ月~1年半程度と比較的長いのが特徴です。ただし、使用する糸の種類や本数によって異なる点には注意してください。

適応する部位

ショッピングリフトと糸リフトには、適応する部位に違いがあります。ショッピングリフトは、目元やほうれい線、額や小じわが気になる箇所など、皮膚の浅い層に働きかける部位に適しています。特に、全体的なハリの向上や軽度のたるみ改善に効果的です。

糸リフトは、頬やフェイスライン、顎や首など、皮膚の深い層や筋膜(SMAS層)にアプローチが必要な部位に適しています。特に中度~重度のたるみを改善したい場合におすすめです。

挿入場所と麻酔の有無

挿入場所や麻酔の有無にも違いがあります。ショッピングリフトは、皮膚の浅い層(真皮層や皮下組織)に極細の糸を挿入します。そのため、軽い痛みを伴う場合があるものの、麻酔なしか表面麻酔のみで施術可能なケースが多いです。

糸リフトは、皮膚の深い層や筋膜(SMAS層)に糸を挿入する関係で、局所麻酔や場合によっては静脈麻酔が必要です。施術の範囲が広い場合は、麻酔の種類や量が増えることもあります。

日常生活への影響度

ショッピングリフトは、日常生活への影響が少ない点が大きな特徴です。軽い腫れや内出血が生じる場合はあるものの、1週間以内で落ち着き、すぐにメイクや通常の生活に戻ることができます。そのため、忙しい方でも気軽に受けやすい施術です。

一方、糸リフトは、腫れや内出血が比較的出やすく、術後1週間程度は違和感や引きつれ感を感じる場合があります。重要な予定が控えている場合は、スケジュール調整が必要です。

ショッピングリフトのメリット・デメリット

ショッピングリフトは、手軽さや短いダウンタイムが魅力の施術です。主なメリットとして、極細の溶ける糸を使用するため、傷跡が目立たず軽い腫れや内出血も1週間以内で回復することが挙げられます。

また、コラーゲン生成を促進することで、肌のハリや小じわの改善が期待できます。さらに、麻酔も不要または表面麻酔のみで施術可能な点もメリットです。

一方、デメリットとしては、効果の持続期間が6~12ヶ月程度と短めであるため、定期的な施術が必要な点が挙げられます。また、皮膚の浅い層に働きかけるため、中度以上のたるみやリフトアップが必要な場合には効果が十分ではない場合もあるでしょう。

ショッピングリフトは、軽いリフトアップや肌の質感改善を求める方に適している一方で、深いたるみ改善を目指す場合は他の施術との併用も検討が必要です。

糸リフトのメリット・デメリット

糸リフトは、高いリフトアップ効果と持続性が特徴の施術です。主なメリットは、突起コグ付きの特殊な糸を使用し、たるんだ皮膚や筋膜(SMAS層)を物理的に引き上げるため、即効性が高いことです。

また、糸が体内で吸収される過程でコラーゲン生成が促進され、肌のハリや質感の向上も期待できます。効果の持続期間が12ヶ月~1年半以上と比較的長い点も魅力です。

一方、施術時に局所麻酔や静脈麻酔が必要なことがデメリットです。ショッピングリフトよりも腫れや内出血が生じやすく、ダウンタイムが1週間以上かかる場合があります。また、術後に引きつれ感や違和感が続くケースもあるため、信頼できる医師による施術が重要です。

糸リフトは、中度~重度のたるみを改善したい人や、フェイスラインをしっかり引き締めたい人に向いています。

ショッピングリフトと糸リフトの施術の流れ

ショッピングリフトと糸リフトでは、それぞれ施術の流れが異なります。それぞれの内容を理解したうえで、どちらの施術が良いかを判断する材料にもなるでしょう。

ショッピングリフトの場合

ショッピングリフトは、以下の流れで施術が行われます。

1. カウンセリングと診察:医師が患者の希望や肌の状態を確認し、適切な糸の本数や挿入部位を決定
2. 施術前の準備:メイクや汚れを落とし、施術箇所を清潔にする
3. マーキング:糸を挿入する部位にマーキングを行い、糸の配置を明確にする
4. 糸の挿入:専用の極細の針を使用して、糸を皮膚の浅い層に挿入
5. 施術後の確認:糸の挿入状態や仕上がりを確認し、施術が終了
6. アフターケアの説明:ダウンタイムを軽減するための注意点の説明

基本的に麻酔は必要ないものの、場合によっては表面麻酔を実施することもあります。また、ダウンタイムが比較的短いものの、軽減するための注意点にはしっかりと耳を傾けておいてください。

糸リフトの場合

糸リフトの施術手順は、以下のとおりです。

1. カウンセリングと診察:たるみの程度や希望する仕上がりを確認し、適切な糸の本数などを決定
2. 施術前の準備:メイクや汚れを完全に落として施術部位を消毒し、局所麻酔または静脈麻酔を施す
3. マーキング:挿入する糸の方向や位置を明確にするため、肌にマーキングを行う
4. 糸の挿入:専用の針やカニューレを使用して、コグ付きの糸を挿入する
5. 仕上がりの確認:リフトアップ状態を確認し、糸の余剰部分をカットして終了
6. 術後ケアの説明:腫れや内出血を抑えるための注意事項や、日常生活で気をつけるポイントについて説明

糸リフト施術後は、腫れや内出血が1週間程度続く可能性があります。施術後数日は激しい運動や強い表情運動を控え、糸が安定するまで安静を心がけてください。気になる症状は早めにクリニックへ相談しましょう。

ショッピングリフトがおすすめの人の特徴

ショッピングリフトは、軽度のたるみや小じわが気になる人や、短いダウンタイムで手軽に肌のハリを改善したい人におすすめです。また、自然な仕上がりを重視し、初めて美容施術を試したい人にも適しています。

ただし、中度以上のたるみ改善を求める場合は効果が限定的なため、他の施術と併用するのがおすすめです。

糸リフトがおすすめの人の特徴

糸リフトは、中度~重度のたるみを改善したい人や、フェイスラインをしっかり引き締めたい人に適しています。効果の即効性と持続性を重視する方にもおすすめです。特に、加齢による頬や顎のたるみが気になる場合や、しっかりとしたリフトアップを求める人に適した施術です。

まとめ

ショッピングリフトと糸リフトは、どちらもたるみ改善やリフトアップを目的とした美容施術ですが、それぞれ特徴や適応するケースが異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で選ぶことが重要です。

特に、日常生活や仕上がりの希望に合った施術を選ぶためには、信頼できる医師とのカウンセリングが欠かせません。肌の状態や悩みに応じて、適切な治療法を選択するようにしてください。

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このページの監修医師

林 政男

林 政男

経歴

  • 2017年 東京医科大学卒業
  • 2019年 東京医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科 入職
  • 2021年 都内美容外科・皮膚科
  • 2023年 THE CLINIC
  • 2024年 LIVELY CLINIC