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ミラジェットとは?針を使わない最新美肌治療の効果やダウンタイムを徹底解説

「ニキビ跡が気になるけど、針を使う施術は怖い」と感じていませんか。ミラジェットは、レーザーの圧力で薬剤を真皮層まで届ける最新の美肌治療機器です。針を使わずダウンタイムも短いことから、忙しい方にも注目されています。

この記事では、ミラジェットの仕組みや5つの照射モード、期待できる効果やキュアジェットやトライフィルプロとの違いまで詳しく解説します。

目次

ミラジェットとは

ミラジェットは、Er(エルビウム):YAGレーザーを用いた無針マイクロジェット薬剤注入器で、新しいコンセプトの経皮ドラッグデリバリーシステムです。従来のダーマペンやポテンツァでは針を肌に刺して薬剤を注入しますが、ミラジェットはレーザーエネルギーを圧力に変換し、マイクロジェット状の薬剤を高速で噴射します。

照射速度は毎秒40発、毎分2,400発と高速で、真皮内の目的の層まで均一に薬剤を届けられます。針や熱による損傷がなく痛みやダウンタイムが少ないのが特徴です。

ミラジェットの仕組み

ミラジェットは「マイクロジェット」と呼ばれるレーザー圧力ベースの技術を採用しています。レーザーエネルギーで作られた圧力により薬剤が高速噴射され、皮膚の角質層と表皮層を貫通して真皮層に浸透します。マイクロジェットによる物理的な刺激が肌の再生を促しコラーゲン生成を活性化するため、薬剤との相乗効果により肌質改善が期待できるのです。

また、目の周り(まぶた)や手の甲といった通常の導入治療では困難な部位への施術も可能です。

ミラジェットの5つの照射モード

ミラジェットには、目的に応じて使い分けられる5つのモードが搭載されています。

  • トーニングモード(Toning mode)
  • スカーモード(Scar mode)
  • スタッキングモード(Stacking mode)
  • フラクショナルモード(Fractional mode)
  • コリメートモード(Collimated mode)

それぞれ詳しく解説します。

トーニングモード(Toning mode)

レーザーエネルギーで作られた圧力により高速噴射することで、薬剤が皮膚(角質層と表皮層)を貫通し真皮層に導入されるモードです。Er:YAGレーザーによる衝撃波と導入薬剤の相乗効果により、線維芽細胞を刺激しコラーゲンやエラスチンの増生を誘導できます。痛みやダウンタイムが少なく、肌質改善の相乗効果が期待できます。

スカーモード(Scar mode)

トーニングモードより設定値を上げて照射するモードです。凹凸のある肌に有効で、傷跡やストレッチマーク、リストカット痕や手術痕、ニキビ跡をターゲットとします。より強いパワーで照射しトーニングモードより深部まで薬剤を導入することで、傷跡の改善が期待できるでしょう。

スタッキングモード(Stacking mode)

瘢痕治療に使用されるモードで、医師のみが施術を行います。出血や痛みを伴うため表皮麻酔が必要です。ニキビ跡や傷痕をしっかり治療する必要がある場合に適しており、腫れや紅斑、瘡蓋が数週間続くことがあります。

フラクショナルモード(Fractional mode)

角層を薄く剥がすことでピーリング作用とコラーゲン再生効果が得られるモードです。熱によるコラーゲン産生を促し、薬液の浸透効果をアップさせます。トーニングモードやスカーモードの前に施術することで、薬剤の導入がより効率よく行えます。ハリ艶向上や毛穴改善、小じわ改善に効果的です。

コリメートモード(Collimated mode)

肌表面への熱影響が大きく、フラクショナルよりもレーザーピーリング効果が高いモードです。ニキビ跡やクレーター、傷跡の改善など凹凸のある肌に有効です。ダウンタイムはフラクショナルモードよりやや長くなり、皮剥けやひりつき、乾燥が数日間続くことがあります。

ミラジェットで期待できる効果

ミラジェットはマイクロジェットによる物理的刺激と薬剤の相乗効果により、さまざまな肌悩みに対応できます。具体的には、以下のような効果が期待できます。

  • 肌のリフトアップと引き締め
  • 傷跡やニキビ跡の改善
  • 小じわの改善と肌質向上

それぞれ詳しく見てみましょう。

肌のリフトアップと引き締め

施術によって真皮層が刺激されると、線維芽細胞が活性化されコラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。肌の土台となるこれらの成分が増えることで、肌全体にハリと弾力が生まれ、リフトアップや引き締め効果が期待できるのです。

通常の導入治療では困難な目の周り(まぶた)や手の甲といったデリケートな部位への施術も可能です。加齢によるたるみやハリの低下が気になる方におすすめな治療と言えるでしょう。

傷跡やニキビ跡の改善

スカーモードやスタッキングモードを使用することで、凹凸のあるクレーター肌や古い傷跡にアプローチ可能です。肌内部に生じるマイクロダメージによって創傷治癒反応が起こり、コラーゲンの再構築が促されます。ジュベルックなどのコラーゲン生成を促進する薬剤と組み合わせることで、より効果的な改善が見込めるでしょう。

また、トライフィルプロやポテンツァ、サブシジョンなど他のニキビ跡治療と同日に施術できる点も、改善が難しい深いニキビ跡に対する治療オプションとして大きなメリットです。

小じわの改善と肌質向上

コラーゲンやエラスチンの生成促進により、乾燥による小じわの改善効果が期待できます。潤いを保ちやすくなった肌は、くすみの軽減や透明感の向上にもつながります。毛穴の開きや赤ら顔、肝斑、薄毛や抜け毛など幅広い肌悩みに対応可能で、使用する薬剤やハンドピースを変えることで一人ひとりの肌状態に合わせた最適な治療プランを組み立てられます。

ミラジェットで使用される薬剤

ミラジェットは単体でも肌の再構築と活性化効果がありますが、組み合わせる薬剤によってさらに高い効果を引き出せます。薬剤ごとの違いを詳しく解説します。

ジュベルック

ジュベルックは、ポリ乳酸(PDLLA)と非架橋ヒアルロン酸を組み合わせた次世代型スキンブースターです。皮膚内の線維芽細胞をマイルドに刺激してコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成を促します。

毛穴の開きや小じわ、ニキビ跡などに効果的で、多くのクリニックでミラジェットとの組み合わせ治療が行われています。レニスナ(ジュベルックボリューム)は深いシワやボリューム不足の改善に適した薬剤です。

エクソソーム

エクソソームは、幹細胞から分泌される直径30〜100nm程度の非常に小さな物質で、成長因子やmicroRNAを含むことから組織の修復や再生を促進する薬剤です。抗炎症作用や抗酸化作用を持ち、肌深部まで送り届けて細胞から活性化させることで、アンチエイジング効果が期待できます。

肌質を根本的に改善したい方や、若々しさを取り戻したい方に適した薬剤です。

その他の薬剤

ボトックスを皮膚の浅層に浸透させるマイクロボトックスは、毛穴や皮脂腺への収縮作用が得られます。皮脂分泌の抑制や制汗作用も期待でき、オイリー肌でニキビができやすい方や化粧崩れが気になる方に効果的です。

トラネキサム酸は肝斑や色素沈着に対するアプローチとして使用され、美白効果を求める方に適しています。プルリアルやジャルプロなど、保湿やコラーゲン生成促進に使用される製剤を取り扱うクリニックもあります。

ミラジェットのダウンタイムと副作用

美容施術を検討する際に気になるのがダウンタイムや副作用です。ミラジェットは比較的ダウンタイムが短い治療法として知られています。ダウンタイムの目安や副作用について解説します。

ダウンタイムの目安

ミラジェット単体のトーニングモードの場合、ダウンタイムはほぼありません。施術後に少しひりつきや赤みが出る程度で、1〜2日で落ち着くケースがほとんどです。施術の翌日からメイクも可能で、日常生活への影響が少ないため、忙しい方でも気軽に施術を受けられます。

ただし、スタッキングモードの場合は施術後に小さな出血痕ができる程度で、翌日以降はお化粧で隠れる程度になり、3〜7日程度で消えていきます。ニキビ痕や瘢痕治療でコリメートとスタッキングを併用する場合は、1〜2週間程度のダウンタイムが必要です。

考えられる副作用

起こりうる副作用としては、以下のものがあります。

  • 赤み
  • ほてり
  • 腫れ
  • 紅斑
  • 瘡蓋 など

トーニングモードでは少しひりつきや赤みが出る程度で1〜2日で落ち着きますが、スタッキングモードでは腫れや紅斑、瘡蓋が数週間続くこともあります。万が一これらの症状が強く出たり、期間が経過しても改善されない場合は、施術を受けたクリニックへ相談することが大切です。

使用する薬剤によってもリスクは異なり、ボトックスでは乾燥、トラネキサム酸ではアレルギー反応が出る可能性があります。事前に医師の解説を聞いておきましょう。

施術後のケア

施術後は保湿と紫外線対策をしっかり行うことが重要です。ピーリング剤やスクラブ洗顔の使用は1週間程度控えましょう。施術当日中はメイクや長時間の入浴、サウナを控えることをおすすめします。Er-YAGレーザーピーリングを併用した場合は、皮剥けやひりつき、乾燥が数日間続くため、しっかりと保湿する必要があります。

ミラジェットとキュアジェット、トライフィルプロの違い

ミラジェットと似た機能を持つ機器との違いを理解することで、自分に適した治療法を選ぶ参考になります。ミラジェットとよく似た機能を持つキュアジェットとトライフィルプロとの違いを解説します。

キュアジェットとの違い

ミラジェットとキュアジェットは、どちらも針を使わずに薬剤を肌に浸透させる医療機器ですが、その仕組みや効果に違いがあります。

ミラジェットはレーザーエネルギーを圧力に変換して定量の薬剤をマイクロジェット形態で噴射し、より効果的に肌の深部に届けます。一方、キュアジェットは空気圧によって高スピードで薬剤を噴射する方式です。

レーザーに圧力をかけて送り出すミラジェットの方が、浸透力が高く的確に薬剤を浸透させられるのがメリットといえます。

トライフィルプロとの違い

トライフィルプロは専用の針を皮膚表面に刺してから炭酸ガスを注入する機器です。針先が細いためピンポイントでアプローチでき、薬剤が漏れることなく注入されるため効果が高いとされています。

ただし、針を使わないミラジェットに比べて痛みを伴います。痛みに敏感な方や針に抵抗がある方には、ミラジェットが適しているといえるでしょう。一方で、両者は同日に施術することも可能なため、組み合わせて治療効果をより高めることができます。

ミラジェットの施術の流れ

実際にミラジェットの施術を受ける際の一般的な流れを紹介します。

まずカウンセリングで肌の悩みや希望をヒアリングし、肌の状態を詳細に診断します。最適な治療プランや使用する薬剤、期待できる効果についての説明を受けましょう。治療内容やリスクについて理解できたら同意書にサインし、施術日を決定します。施術前に必要な準備やアフターケアについても説明があるため、しっかりと聞いてください。

施術当日はメイクを落とし、必要に応じて麻酔クリームを塗布します。トーニングモードの場合は痛みが少ないため、基本的に麻酔なしで施術可能です。ニキビ痕や傷痕治療の場合は、Er-YAGレーザーとの併用やスタッキングモードでの施術になるため麻酔を使用します。施術時間は20〜30分程度で、軽いピリピリ感や温かさを感じる程度です。施術後は特に制限がなく、通常通りの日常生活を送れます。

ミラジェットがおすすめの人

ミラジェットは以下のような方に特におすすめの治療法です。針を使う施術に抵抗がある方や、痛みに敏感で美容医療に踏み出せなかった方にとって、ミラジェットは良い選択肢となります。また、仕事や育児で長いダウンタイムが取れない方、連休が取りにくい方にも適しています。午前中にミラジェットを受け、午後には仕事に復帰するなど、予定を大幅に空ける必要がない点がメリットです。

ニキビ跡や傷跡、毛穴の開きや小じわ、肌のハリ不足など複数の肌悩みを同時に改善したい方にも効果的です。他の施術と組み合わせて総合的な美肌治療を受けたい方にとってもメリットが大きいでしょう。

まとめ

ミラジェットは、針を使わずにレーザーの圧力で薬剤を真皮層まで届ける革新的な美肌治療法です。トーニングモードやスカーモード、スタッキングモード、フラクショナルモード、コリメートモードなど複数のモードを使い分けることで、さまざまな肌悩みに対応できます。

痛みやダウンタイムが少なく、ニキビ跡や傷跡の改善、肌のハリ向上や毛穴の引き締めなど幅広い効果が期待できます。キュアジェットやトライフィルプロと比較しても、レーザー圧力による高い浸透力が特徴です。まずはクリニックでカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

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このページの監修医師

林 政男

林 政男

経歴

  • 2017年 東京医科大学卒業
  • 2019年 東京医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科 入職
  • 2021年 都内美容外科・皮膚科
  • 2023年 THE CLINIC
  • 2024年 LIVELY CLINIC